知史CHIFUMI 書展 〜ひびきあう祈り〜
たくさんのご来場ありがとうございました。
書展の報告を動画を使って報告させていただきます。
- ご挨拶
- 1. 祈
- 2.反古紙の輪
- 3 . 念作品
- 4 . 般若心経
- 5 文化博物館
- 6 . 平然自若
ご挨拶
▼古来よりこの地球上に住む人々の暮らしの中には、いつも祈りがありました。
太陽に祈り、星に祈り、山に祈り、海に祈り、火に祈ってきました。
また宗教の信仰として、神に祈り、仏に祈りを捧げてきました。
祈りの中に様々な文化が作られてきたのです。
人智じんちを超えた出来事に、ひとは安寧あんねいを求めて祈り続けてきたのです。
祈り
今、目に見えない大きな不安の渦の中、大変な状況に陥っています。
この苦境に対し不安を抱き、世界中の人々が祈りを捧げています。
私たちは懸命にこの状況からの回復を祈らずにはいられないのです。
この作品は、そんな思いの中から生まれました。
こちらは、今回のテーマである「祈り」です。
私の作品は、言葉を読み取るのではなく、まずは全てを受け入れて感じて頂きたいと思います。
なぜなら、文字だけを書いている訳ではないからです。
作品全体から滲み出る全ての波動を感じながら、お楽しみ頂けましたら、幸いです。
こちら左部分は、背を丸めて一心に祈りを捧げています。
右部分は、祈りが炎のようにメラメラと大きく強い力となっている様子を表現しました。
どうか平穏な日々が訪れますように。
皆が元気に仲良く暮らしていけますように。
国境を越え、宗教を越え、時までもを越えて。
反古紙の輪
本来ならそのまま処分されるお稽古後の反古紙を集めて、茅の輪をイメージした形に作ったリユース作品、こちらが反古紙の輪です。
京都の神社では6月に茅の輪くぐりという神事があります。
半年の厄やけがれを、茅の輪をくぐる事で清め、無病息災を祈ります。
何度も何度もお稽古していくと、白い和紙が墨色に染まります。
通常反古紙はゴミとして処分しますが、この反古紙の輪は、私がお稽古に費やした時間や思いが、目には見えない形で染み渡っています。
どうぞ、皆さまおくぐりください。
念作品
今の心と書いて念と読みます。
祈りを捧げる時は、今の心が根源となっています。
私の考える「祈り」とは、信じること、そして今に感謝すること。
愛する人への純粋な想い、健康への感謝、平和への願い、自然への畏敬、先人への敬意、自分の中の神と繋がり、毎日の平安を願います。
般若心経
般若心経の最後の真言 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶 です。
苦しみは解き放たれると悟りの境地に至るための真言だと言われています。
文化博物館
知史CHIFUMIがこの空間で個展を行うのは、今回で三回目です。先人たちから引き継いだこの重要文化財の中で、伝統文化である書道を表現できる事を、私は大変うれしく思っています。
平然自若
コロナ禍で過ごした期間、あなたの人生にどんな変化をもたらしたでしょうか?
何を手放し、どんなことが大切になりましたか?どんな思い出が生まれましたか?
この現実を次の世代にどう伝えていきたいですか?
これまで“当たり前”とされていた様々な価値観が大きく変化しています。
どんな苦しい目にあっても
どんな思いがけない大事にあっても
心はいささかもあわてたり、恐れたりしない
平然としてこれに対処する。
平然自若(へいぜんじじゃく)の精神を表現しました
- 7 . 般若心経12枚
- 8 . 般若心経100巻
- 9 . 水墨9枚
- 10 . 水墨2枚
- 11 魂
- 12 . むすびに
般若心経12枚
「人々をこの世の苦しみから解き放つ」という仏教の真髄である大切な教えが詰まっているお経が『般若心経』です。
色々な宗派がこの般若心経を用い、世界中で翻訳されている最も有名な経典です。
なぜ、私がこの書展のテーマ”ひびきあう祈り”に般若心経を書こうと思ったのでしょうか?
それは、私は今、四国88ヶ所霊場、弘法大師空海の歩いた祈りのお遍路みちを歩いています。
各札所では必ず般若心経をあげて、お参りします。
この『般若心経』 276文字の一つひとつの言霊を通し、祈りの世界を表現することにしました。
一本の同じ筆で、草書で一気に書き上げています。
般若心経100巻
こちら正面の作品も般若心経です。
タテ1m横全長24mあり、般若心経100巻の布作品です。
私の書は、今を生きる私たちの命の繋がりを感じ、自然と調和する書の形を追求しています。
祈りとは、ただ願うことだけではありません。
何かを想い行動することです。
「一日も早く平穏な日常が戻りますように」
一画一画思いを込めて書きました。